March 16, 2004

「マラソン」「プロフェッショナル」

昨日縁あってある新聞社の若手記者(?)と話をした。彼はこの夏アテネオリンピックの取材で現地に滞在するそうだ。とりとめもない話をしていたのだが、「マラソン」に話題が及んだとき、「おいおい」と思うことがあった。

BC450年(BC490年?)、ペルシャの大軍がマラトンに上陸したのを、アテネの名将ミルティアデスがこれを撃退し、アテネの勝利を伝えるためフェイディピデスという兵士が伝令となり、マラトンからアテネを走り、城門で勝利を告げて絶命したという故事にちなんで、第1回アテネオリンピックの競技に加えられて、マラソンのはじめとなったとされている。 マラソンと言えば、42.195キロ。この距離はマラトンからアテネの距離と言われるようなったことを彼は引き合いに出していたのだが、これは あやまり。

フジテレビの某雑学番組でも取り上げられたのだが、42.195キロが正式に採用されたのは第8回パリオリンピック。この距離は第4回ロンドンオリンピックで採用された距離で、このときマラソンコースは、国王の住むウインザー宮殿からシェファードブッシュ競技場の約40キロ。王女アレキサンドラが、「スタート地点は宮殿の庭。ゴール地点は競技場のボックス席の前に」と注文し、このような中途半端な距離になったのはあまりに有名な話。

ということで、2004年のアテネオリンピックでは、「42.195キロ=マラトンからアテネの距離」と誤った知識を植えつけるメディアがどれだけいるのか楽しみではある。しかし、アテネでオリンピックの取材をするのならもう少し勉強してほしいものだ。このぐらいの情報は、インターネットにいくらでも転がっている。同席したギリシャ古代史研究者と、ギリシャ考古学研究者はわたしに対して「手厳しいね」との発言だったが、「プロフェッショナルならそれなりに調べないとね」という私の言葉に納得。

おまけ。マラソンはギリシャ人にとっても歴史のある競技。第1回オリンピックはギリシャで開催されながら、どの競技でも入賞を果たすことができなかった。しかし、最後の競技マラソンで、ギリシャの羊飼いスピンドル・ルイスが見事に優勝。この羊飼いは一夜にしてギリシャのヒーローになったとか。オリンピック発祥の地、ギリシャの面目躍如だったんですね。なお、このときのマラソンには25人が出場。その半数以上がギリシャ人だったとか。

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