September 22, 2004

そもそも「世界遺産」って?

2004年3月18日の「『花より団子』『質より量』」の記述、「世界遺産大好きの日本人」が読者の日本のガイドブックが「世界遺産第一号のバッサエ」を掲載していないのはおかしいという記述に少し反省。解釈によっては「世界遺産だからすばらしいものだ」と取られかねないからです。そこで今回は、「世界遺産」について思うところを。

ギリシャの世界遺産は2004年3月現在、16件。 次の表にあげるとおりです。

登録年日本語名称英語名称
1986バッサイのアポロ・エピクリオス神殿Temple of Apollo Epicurius at Bassae
1987デルフィの遺跡Archaeological Site of Delphi
アテネのアクロポリスThe Acropolis, Athens
1988アトス山Mount Athos
メテオラMeteora
テッサロニキの初期キリスト教とビザンチン様式の建造物群Paleochristian and Byzantine Monuments of Thessalonika
エピダウロスの遺跡Archaeological Site of Epidaurus
ロードス島の中世都市Medieval City of Rhodes
1989オリンピアの遺跡Archaeological Site of Olympia
ミストラMystras
1990デロス島Delos
ダフニ修道院、オシオス・ルカス修道院、ヒオス島のネア・モニの修道院Monasteries of Daphni, Hossios Luckas and Nea Moni of Chios
1992サモス島のピタゴリオンとヘラ神殿Pythagoreion and Heraion of Samos
1996ヴェルギナの遺跡The Archaeological Site of Vergina
1999ミケーネとティリンスの古代遺跡The Archaeological Sites of Mycenae and Tiryns
パトモス島の神学者聖ヨハネ修道院と黙示録の洞窟の歴史地区(コーラ)The Historic Centre (Chora) with the Monastery of Saint John “the Theologian” and the Cave of the Apocalypse on the Island of Patmos

すべての場所を訪れたわけではありませんが、どれもすばらしいものばかりです。しかし、「世界遺産だからすばらしい」というわけでもなく、「すばらしいから世界遺産」というわけでもありません。「世界遺産」というコンテクストを離れてもすばらしいということです。もっと言えば、これらはUNESCOが認めた『世界遺産』でしかないけれど、たまたまそれが私の思うすばらしいものと一致した、というだけです。こんな言い方をしましたが、じゃあ「世界遺産をどう解釈しているのかといわれたら、こう答えるでしょう。「世界遺産は世界の文化や自然の多様さを示すわかりやすい例」。そう考えると、「日本人は世界遺産好き」というのも少し説明がつくのです。日本人はわかりやすいものが好きなんですね。たとえば「印象派」。モチーフが、ギリシャ神話やキリスト教という西洋人が当たり前のように持っている背景を前提としない印象派の絵は、わかりやすいんですね。

少し話がずれましたが、わたしも画像提供をさせてもらっているサイトに『世界遺産資料館』があります。広く深く「世界遺産」の知識を得ることができるサイトですが、このサイトのおすすめで、かつメインコーナーになっているのが「裏世界遺産の館」。「裏世界遺産」は「世界遺産リストに登録を申請されたが、いくつかの理由により登録が行われていない物件」と定義されています。ここにあげられた物件をみれば、「世界遺産とは?」をもう少し突っ込んで考えることができるでしょう。以下は、ギリシャの「裏世界遺産リスト」。

審議年日本語名称英語名称
1987

サマリア峡谷国立公園

The Gorge of Samaria National Park
1988

レスボス島の化石森林

Petrified Forest on Lesbos
1989

サントリーニ島アクロティリの考古遺跡

Archaeological site of Akrotiri in Santorini
2000コルフ島の旧市街Old Town of Corfu

ちなみに、「世界遺産好き」も「印象派好き」もわたしはバカにしていません。わたしも好きですよ。

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