考古学者にして保険調査員、 さらに英国特殊空挺部隊に所属した経験も持つという主人公・平賀=キートン・太一が、 その能力と経験を駆使してさまざまな事件を解決するという、 原作・勝鹿北星 画・浦沢直樹のコミック、それが『MASTERキートン』。その人気は連載終了後も衰えず、日本漫画史に残る作品となるでしょう。この作品に出会ったのは高校生の時。たまたま新刊として並んでいた第1巻を購入したところ、世界を飛び回り、考古学にとどまらないさまざまな知識を武器に問題を解決していくストーリーに魅了され、全18巻が完結するまですべて初版で購入、今でもわが家の本棚に並んでいます。
この作品の(わたしにとっての)魅力はなんといってもそのストーリーの緻密さ。そしてそのストーリーを支える背景のリアリティでしょう。たとえばそれは冷戦後、そしてベルリンの壁崩壊後の東西ドイツの状況であったり、湾岸戦争であったり。すべてがきっちりとした下調べに基づいていると思われます。 「アウシュビッツはなかった」という衝撃的な記事で休刊となった雑誌『マルコポーロ』の1993年5月号に担当編集者の話が載っていました。原作の勝鹿北星の素性に迫るという主旨の記事だったのですが、残念ながら勝鹿氏自身は搭乗しませんでした。しかし、『MASTERキートン』のヒットで、原作のための十分な調査ができることを本人は喜んでいるという話、編集者の言葉として出ていたように記憶しています。
さて、世界(とは言ってもヨーロッパとキートンの故郷・日本だが)を舞台にしたこの漫画、ギリシャが舞台となっている作品も多いことだろうと思っていたところ、全18巻、144話のうちこれに該当するのは、第1巻の第1話「迷宮の男」と第13巻の第4話「伝説の微笑」の2話だけ。さて、この2話がどの程度、事実を下敷きにしているのか、各話1回づつ、ストーリーに登場する描写や台詞を検証してみました。
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週刊文春に原作者に関する話が掲載されていたそうです。こちらにその記事のサマリーがあります。だれが原作者であれ、いい作品はいい(原作も画も)。それだけです。しかし、『マルコポーロ』の原作者の話はなんだったんだろう……(2005/6/21)。