アポロナスを後にして、メラネスを目指す。ホーラからアポロナスに向かう途中のエンガレスで、メナレスへの方向を示す標識を見つけていたので、まずはエンガレスまで戻る。エンガレスから内陸に入りしばらく走ると、大理石の石切り場が見えてくる。道を間違ったか不安になり始めたころに「Kouros」の方向を示す標識が現れる。この標識、オフィシャルなものには見えず、どこか手作りという趣がある。標識を頼りに進むと、私道のような道に入り込む。道の先は果樹園の入り口。「Kouros」の看板あり、果樹園の方向を指し示している。

「私有地の中のようだけど大丈夫かな?」とちょっと心配しながら、スクーターを入り口に止めて果樹園の中を歩くと、低い石垣で囲まれたスペースに未完のクーロスが転がっている。アポロナスのクーロスとは一回りも、二回りも小さい。このクーロスは右足が折れている。 これが放置された理由のようだ。紀元前6世紀のものらしい。パートナーと妻と記念撮影して、さらに果樹園の奥に向かう。
果樹園の中を進むと土地を所有する老婦人が、クーロス目当てに来る観光客を相手にやっている小さなカフェがある。スクーターを借りたとき、レンタルバイク屋のオヤジに、メラネスの近くにもう一体の未完のクーロスがあると聞いていた。たとたどしいギリシャ語でカフェの老婦人に「もう1体のクーロスはどこですか?」と聞いたところ、答えは英語で返ってきた。英語は話せないと言っていたのに……。「ここから1キロ先のポタミア」。1キロとは言っても、軽いトレッキングになるらしく、日も傾き始めていたので、あきらめる。近くまで来たという証にカフェに売っていた「3体目」のクーロスの絵はがきを購入し、ホーラに戻る。 後で気が付いたのだが、ポタミアにあるのはクーロスではなく「コレー」。カフェで買った絵はがきにそう書いてあった。

ポタミアのクーロスの
絵葉書はこんな感じ
ポタミアにあるのはクーロスかコレーかずっと気になっていた。というのも、ガイドブックには「クーロス」と記載しているし、ネットでもクーロスとして説明しているサイトばかりで、絵葉書のように「コレー」としているものはまったくなかったからだ。散々調べて分からなかったので、“Greek Art and Archaeology”を運営しているHさんに聞いたところ、「クーロスで間違いないです。片足を前に出したポーズはコレー像には見られせんし。」とのこと。「なるほど!」。 クーロスは、エジプト彫刻の影響を受けたとされるアルカイックスマイルとともに、片足を前に出したポーズが特徴だ。絵葉書の彫刻も片足を前に出しているように見える。完成していれば、服を着てるか、着てないか、つまり裸像ならクーロス、着衣ならコレーと分かるし、服の有無を見るまでもなく、頭部をみれば青年か、少女かは分かる。でも、未完成ともなるとやはりこの特徴的なポーズがポイント。数年来のもやもやが吹き飛んだ。
このブログでなぜか、「コレー」をクエリーに検索をしている方が結構いらっしゃる。クーロスについて説明しているサイトは多いが、コレーを詳しく説明しているものは少ないということなのだろうか……。そこでいろいろ調べているうちに見つけたサイトを二つ。ただし、英語。
ポタミアのクーロスの写真は“Greek Art and Archaeology”の旅行記でご覧ください。