March 31, 2005

古代ギリシャ風音楽

高校3年生の時、たまたまレンタル店で見つけたブルガリアン・ミュージックのCDをきっかけに、ワールドミュージックにはまったことがある。そんな中の一枚が、『古代ギリシャの音楽』。ワールド・ミュージックというジャンルというよりもむしろ「古楽」というジャンルなのだろうが、当時はそのレンタル店には「ワールド・ミュージック」のコーナーに分類されていた。

だれでもそうだろうけど、何年か前によく聞いていた音楽が、あるとき無性に聞きたくなることがある。自分も5年ぐらい前にこの『古代ギリシャの音楽』が無性に聞きたくなった。しかし、覚えているのはタイトルだけ。ダビングしたカセットも実家でどこに行ったか分からず、 さんざんネットを使って探したところ、Amazon.comでこのCDを見つけ購入した。原題は、“Musique de la Grèce Antique”。それからしばらくは何度も聴くCDの一枚になったのだが、会社でこのCDを聴いていたところ、「パニアグワを聴くんだ」と言われた。このCD、そもそも「古代ギリシャ」というタイトルに惹かれて手にしたもので、「パニアグワ」なんてぜんぜん知らなかった。そこでパニアグワをいろいろと調べたところ、古楽研究家。壺絵や皿絵を参考にした古楽器とパピルスの断片や石に刻まれて残された楽譜で1979年にこのアルバムを世に発表し、当時、賛否両論を起こした問題作だそうだ。こんな経緯からオーディオファンにはかなり著名な作品で、今は亡きオーディオ評論家・長岡鉄男氏のレコード評で日本でも一躍有名となったということが分かった。よくよく考えれば、「パニアグワ聴くんだ」といった人もかなりなオーディオファンだった。

このアルバム、Amazon.comのレビューなんかを読んでみると、評価が分かれている。また、ネット上にあるほかのレビューなんかでも、「古代ギリシャに名を借りた創作」といった意見もある。音なんてその場で消え去る代表的なものだし、古代ギリシャの音楽の演奏が脈々と引き継がれていない以上、想像に頼る部分が大きいだろうから、「創作」という評価は当たっているんだろう。でもまあ、聴いている自分も、最大限に想像を膨らませて聴いているのだから、それが創作であれ、そのものであれ、そんなことはどうでもいい。この音楽を聴くと、遺跡を訪れ劇場跡に立ったことを思い出すし、劇場跡を訪ねるとこの音楽が蘇る。そうなるのは自分の思い込み以外のなにものでもないかもしれないけど、こんな感じの音を聴いていたんだろうなと思うだけで、満足できる。「手打ちうどん」でも、「手打ち風うどん」でもおいしければいいんじゃないかな。

さて、古代ギリシャ音楽を復元したアルバムは他にもある。復元するのだから解釈がはいる。だからだれが復元するかによって変わってくる。つい先日、Greekshop.comで“Music of Greek Antiquity”と“Music of Greek Antiquity 2”を購入した。こちらは届くのが楽しみ。もう一枚、『ギリシア―都会の誘惑、島めぐりの極楽 ヨーロッパ・カルチャーガイド』(トラベルジャーナル/ISBN:4895594084/1997/09)でも紹介されている“Music of Ancient Greece”も探してみた。これは中世ビザンチンの復元に打ち込む音楽学者Christodoulos Halarisによるものだそうだが、残念ながら今のところ購入できないよう。そこで、Amazon.comのMarketplaceでPre-orderをしてみた。Amazon.comでこのアルバムを探している人は自分も含めて2人。見つかるといいな。

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